コラム「青と仕事と日本人」

青は世界的に見てもみんな好きな色である。でも、ことさら日本人は大好きだ。

特に「会社・オフィスで」である。


街には紺系(暗い青)のスーツがあふれている。

最近は黒も急上昇だが、一昔前までは、就職活動では、紺がずっと定番だった。会社は洋服の色まで注文をつけるわけではないのだが・・。

人は仕事、会社、就活となると、青に包まれたがる!「皆なそうだし、これが常識」と言われそう。


スー ツの定番は、ダークブルー、ブラウン、ダークグレーの3系統だろうが、この中でもブルー系、かなり黒に近いけれど、それでも青の痕跡を残した濃紺は新入社 員によく似合う。ブラウン系では渋過ぎて年寄りじみている。グレイでは印象が薄い。たしかにブルー系は、引き締まった感じもするし好ましい。

でも、その理由だけ?どうしてそういう常識になったの?

 

私は、仕方ないといいながら、結構みんな、好きであの色を着ていると思う。

 

ドイツの心理学者にルッシャーという人がいる。このコラムでたびたび登場するキーパソンだが、彼は「従順にしなければならないとか、言いつけをよく守らなければならないといった心境にあるとき、人は青に惹かれる」といっている。

会社側は「会社に従順に従う、本社の規律どおりに動く人材が欲しいし」

学生側は「大学も卒業、就職するしかない。半ば諦め、そして、その会社の一員として従順にやっていこう!御社の言いつけをよく守ります」という覚悟だ(←青は諦めの色とも言われている)

そういう両者の色に対する深層心理が、もうどうしても青くないといけないのだ。