上3点は盛期ルネッサンスの三巨匠レオナルド・ダヴィンチ、ラファエロの聖母子像です。
ご覧にように、聖母マリアは「赤と青」の衣装が定型であり、「赤いインナーと青いマント」で描かれています。
この配色はまず①青から決まりました。最も高価な絵具ラピスラズリで、最も高貴な存在の聖母マリアを描くことがカトリックでの自然の流れだったのでしょう。
そのため、ルネッサンスより前の時代は「青いマントだけの聖母」も目にします。
そして、次第に②青に合わせた赤やピンクが色合わせされるようになりました。
赤も高価だったこともありますが、おそらく、心情的に、赤の華やかさやピンクの優しさをプラスしたい、また青(ウルトラマンブルー)とよく合う色という意味で、選ばれたのでしょう。
この『小椅子の聖母』は盛期ルネッサンスの画家ラファエロの作品。幼児「キリスト」を抱きしめる聖母「マリア」と、二人を敬虔な表情で見つめる幼児洗礼者「ヨハネ」がです。イタリアの医学者モンテッソーリは、世界中の「子供の家」 に飾られることを願う、と言っています。
上の「預言者イザヤ」は「青」×「黄」の補色の関係です。天然顔料が主流であった時代は今以上に、補色対比の効果を最大限に生かそうとしたようです。