コラム「色名」新橋色

「新橋色」と聞いてどんな色を想像しますか?
新橋とは、、東京の新橋のことです。今では「サラリーマンの街」として有名ですがこの色名ができた大正時代の「新橋」は「花街」であり、「新橋芸者」のイメージでした。

新橋色は、時代の先端だった合成染料の青、明るいブルーの事です。
当時、ファッションリーダーだった新興都市・新橋の芸者さんは、時代の最先端の合成染料の青い着物をいち早く着こなしました。そして、次第に一般のご婦人も「新橋の芸者さんのような着物の色に仕立ててください」と注文するようになり、いつの頃からか新橋色と呼ばれるようになります。
藍染めに見慣れた人々の目には、合成染料の青は、新鮮な色に映ったことでしょう。
黒い帯に、赤い襦袢、そして新橋色(明るい緑みの青)は、パキッとした潔い配色ですね。