過去問1級2次「色彩計画」

この色彩プラニングの問題は慣用色名、配色、色のイメージのそれぞれの知識が備わっているかを試す問題です。最初の慣用色名で間違えると次の問題も誤ってしまいます。

さらに解説「なぜ萌黄?」


1級の受験者ならば「フレッシュ、若々しく」と聞けば10番、黄緑、そして即、萌黄という言葉が連想ゲームのように頭によぎるようになっておきたいものです。

実際の色はグラスグリーンもさほど替わらないかもしれません。新橋色だって若々しいわ!と思うかもしれません。しかし、もし新橋色ならば「爽やか」という連想になるでしょう。

またコンセプトの「芽吹く」も、春に新芽が芽吹くことで、これは萌えいずる新緑、つまり萌黄そのものです。

まとめます。

PCCSの24色相の中で10番の黄緑が「最も若々しく、最もフレッシュ」な色です。(←それ故に安っぽい色、幼稚な色になりやすい)。

そしてその黄緑のイメージを日本人が名付けたのが「萌黄もえぎ」です。

江戸時代までは、「緑」や「青」と呼ぶ回数より「萌黄もえぎ」や「浅葱あさぎ」と呼ぶ回数の方が圧倒的に大かったはずです。

(だんだん話しがそれていくのでこの辺でやめますが)。

1級の問題が難しいと思う人は、2級・3級をただ暗記でこなしてきたからでしょう。

色名ひとつとっても、きちんと色名の意味や歴史を知ったり、色のイメージについても、なぜそのような意味を持っているか掘り下げて理解すると、色の勉強も面白くなり、確実に正解を見つける事も出来ます。

 

またカラーカードではv10かb10を選ぶのがよいでしょう。

実際の生活ではdp10や lt10、p10、d10なども萌黄と呼ぶこともあります。これは間違いではありません。100%正しいのです。なぜなら、萌黄は黄緑全般を広くさす色名だからです。

しかし、このように試験問題となればJISの慣用色名の規定に従って最も代表的な色を選びましょう。JIS物体色の色名では萌黄色はs10(ストロングトーンの10番、強い黄緑)です。ストロングトーンがないので、 vトーンかbトーンを選択します。dpトーンは黒の要素が入り、その分「若々しさ」のイメージを失ってしまうので避けた方がよいでしょう。

さらに解説「なぜトライアード配色」?



同一トーン配色を選ぶので、トーンを重ねるトーンオントーン配色は×。ドミナントカラーは色相が揃うので×。カマイユ配色も色相差がなく×。ドミナントトーン配色やナチュラルハーモニー配色では色相に関する取り決めが無いので×。

語群の中から、色相に関する条件があるのはダイアード配色とトライアード配色だけだが、3色が対照色相配色になるのはトライアード配色のみ。また、トライアード配色は同一トーンでの配色も可能なので正解。

以上のことから、v10と同一トーンで、色相差が8ずつあるv18とv2を選ぶ。

 

※トライアード配色のトライとは、トライアングルが三角形、トライアスロンが三種目競技のことから、3の意味。