「フェルメールとレンブラント展」が来月2016年1月、東京の六本木ヒルズで開かれます。 さて、有名な画家である2人の共通点は何でしょうか?
①painterである。
②オランダ人である。
③バロック期の人物である。
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①②③どれも正解です。 17世紀オランダは黄金時代。この時代に、日本人にも馴染みの深い2大画家が同時期に活躍しました。 「光のフェルメールと闇のレンブラント」は、なかなかいいキャッチコピーですね。
一般的に、美術や歴史の教科書で
レンブラントは「光と影の画家」と呼ばれますね。
それで、このキャッチコピーに、
「えっ、レンブラントも、光の画家ではないの?」
と思う人もいるかもしれませんね。(私の知人がそうでした)。
では、レンブラントの「夜警」を見てみましょう。
画面の大部分は「闇」が覆っていますね。その闇ゆえに一条の光が、まるで舞台照明のように輝いて見えます。
◎レンブラントの画風
背景は暗い画風。舞台照明のスポットライトを使ったようなライティング。
その結果、暗い中に明るい部分が強調されて、劇的な要素が強く感じらます。
◎フェルメールの画風
箱型のカメラ・オブスクラ(現在のカメラ)で、レンズを通して見た映像を忠実に再現。 中には「ピンぼけ」の感じを再現した作品もあります。
フェルメールの代表作「牛乳を注ぐ女」にも、レンブラントの劇的な明暗表現ではないけれども、きちっと「明暗表現」がなされています。
後ろの白い壁を見てください。一面同じ色であるはずの後ろの壁は、右側は明るく、左側は暗くなっていますね。
そのことで、左側から優しい光が入りこんでいる様子がわかり、また、人物が、その明暗の中で浮かびあがっているように見えるのです。
このように、フェルメールの小品(フェルメールの作品は小さいサイズばかりです)は、ダイナミックなレンブラントの舞台照明(スポットライト)とは対象的に、
レンズを通して見た、身近な生活風景を繊細な眼で描いています。
さて、あなたはどちらがお好みですか?