モンドリアンの追求した三原色

ピエト・モンドリアンという画家を知っていますか?

名前はよく知らなくても、この絵は見たことがあるでしょう。

題名は「ブロードウェイ・ブギウギ」

いかにも、20世紀のアメリカを象徴するこの作品は、オランダ生まれの画家ピエト・モンドリアンの作品です。

 

アムステルダムやパリで活躍していたモンドリアンは、すでに68歳になっていた1940年、第二次世界大戦の戦火を避けてニューヨークに亡命します。

 

元々、ジャズの愛好家だった彼は、ニューヨークに渡ってすぐに、ブギヴギ音楽に恋をして、すぐさま絵画の中に取り入れました。

 

 

ニューヨークの高層ビルを真上から見た感じ、地下鉄の路線図など、いろいろな解釈がされていますが、

 

伝統的なヨーロッパから、自由の国アメリカにやってきたモンドリアンの「躍動する心」「躍動する色彩」「躍動する音楽のリズム」が単純な形と色彩の中に、表現され、この絵を見ているとその「ブギヴギした躍動感」を味わうことができます。

 

 

抽象絵画を本格的に始めた最初期の画家モンドリアンですが、

同じ時代の代表的な抽象画家にカンディンスキーと比べて、

 

「カンディンスキーの熱い抽象」「モンドリアンの冷たい抽象」などと呼ばれています。

 

「冷たい」と呼ばれる由縁は、次の作品群を見ると納得できるでしょう。

 

垂直線や水平線に、矩形を構成していくモンドリアンの作品ですが、

冴えた赤や青、黄のパキッとした配色が有名なモンドリアンですが、この作品は、どこか優しく、穏やかなイメージですね。

 

さて、問題です。

Question

この作品の色彩構成について、正しいものはABCのどれでしょうか?

 

A.明清色+白である。

B中間色+白である。

C三原色+白である。

 

答えは

BとCが正解です。

 

他の作品は冴えたビビッドな純色(赤や青の色みのみ)を用いるモンドリアンが、グレイみを帯びた中間色(色み+白+黒)のため、穏やかです。

 

そして、穏やかなだから、わかりにくいのですが、

この作品に使用されている白以外の3色は、

ピンク、芥子色、スモークブルー(藍ねず)はそれぞれ

ピンクはくすんだ赤紫

芥子色は、柔らかい黄

スモークブルーは、くすんだ青緑〜青

赤紫・黄・緑みの青

ときちんと三原色であるのが、面白いですね。

 

純粋な絵画のための、作品は、モンドリアンの実験のような側面があり、

この後、より、純粋な絵画、純粋な色彩に向けて、さらに変化していきます。

 

モンドリアンの絵画の変遷については、こちらに簡単にまとめています。

 

「モンドリアンと抽象絵画」