500年前の鮮やかな色彩、ボッティチェリ展

イタリアの至宝、ボッティチェリの「書物の聖母」が現在、東京都美術館で公開されています。

 

実物を見てきました。

500年以上も前の板絵の「鮮明な色彩」に驚き!です。

マリアの衣の色「青」は画像の絵よりも、ずっとビビッドで、鮮明。

マリアとキリストの光背の「金色」は、絵具というよりも、金(Gold)そのものの輝きでした。

 

 

最高級の顔料「青いラピスラズリ」や「金」は、最良質のものを、ふんだんに使用しているからこそ、制作から500年以上経っていることが信じられない彩色が保たれているのでしょう。

 

ボッティチェッリが描く繊細な流線の見事さにも増して、

それを可能にしたイタリア・フィレンツェの財力、文明の力を見せつけられる1枚でした。

 

本ブログで、以前も触れていますが、

マリアのマントの色は「青で描くべき」という決まり事がありました。

 

マドンナブルー、ラピスラズリ、ウルトラマンブルー、などと呼ばれる色です。

 

マドンナブルーのマドンナとは「聖母マリア」のこと。マリア様のマントの色の青、という意味です。

 

ラピスラズリとは、貴重な鉱石ラピスラズリのこと。この粉末が顔料となります。絵具というより、宝石にも近く、最も高価な絵具なので、最も高貴な人物、マリア様を描くときに使われました。

 

ウルトラマリンブルーとはUltra-Marine 「海を渡ってきて青」という意味で、現在のアフガニスタンに良質のラピスラズリが採れることから出来た色名です。海上貿易でやってくる、舶来物の高級な青といったニュアンスでしょう。

 

 

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ルネッサンスの文明の重みを感じる「ボッティチェリ展」は4月3日まで東京都美術館で開催されています。