色彩検定2級「色の心理的効果/記入問題」2014年夏期◆問題18

視認性
図1

【問題】

次の【A 】から【E】の空欄にあてはまる最も適切な語句を記入しなさい。

 【A】【B】【C】は2文字以内の漢字を、【D】【E】は6文字以内のカタカナをあてはめてください。

 

・・以下、問題文(前半)・・

サインデザインでは周囲の環境の中から特に目を引くために、「注意を向けていない対象の発見されやすさ」である色の【A】性を高める必要がある。

 

図1のサインはこの色の【A】性が低い色の【A】性を高めるためには、高彩度の色を使うとよい。さらに、色相はJISの物体色の色名の基本色の【B】、【C】、黄の中から選ぶと効果が高い。

 

 

 

 

 

 

【答え(前半)】

A誘目

B赤(あるいは黄赤)

C黄赤(あるいは赤)

 

 

 サインデザインでは周囲の環境の中から特に目を引くために、「注意を向けていない対象の発見されやすさ」である色の【A誘目】性を高める必要がある。

 

図1のサインはこの色の【A誘目】性が低い色の【A誘目】性を高めるためには、高彩度の色を使うとよい。さらに、色相はJISの物体色の色名の基本色の【B赤】、【C黄赤】、黄の中から選ぶと効果が高い。


・・以下問題文(後半)・・

誘目性と視認性
図2

また、図2は図1で使われている図記号(絵文字)であるが、このような図記号(絵文字)のことを【D】という。図1では、この【D】の色と背景色の明度が小さく、【E】効果が生じて視認性も低くなっている。この場合には【D】の色と背景の色の明度差を大きくするとよい。

 

 

 【答え(後半)】

Dピクトグラム

Eリープマン

 

 また、図2は図1で使われている図記号(絵文字)であるが、このような図記号(絵文字)のことを【Dピクトグラム】という。

図1では、この【Dピクトグラム】の色と背景色の明度が小さく、【Eリープマン】効果が生じて視認性も低くなっている。この場合には【Dピクトグラム】の色と背景の色の明度差を大きくするとよい。

 

 

 【解説1】

図1と図2が見づらいのは一目瞭然。

では、なぜ見づらいのでしょうか?

 ・彩度が低いので見づらい。

・明度差が小さいこと。

 

【解説2】

色の誘目性(ゆうもくせい)と色の視認性(しにんせい)の違いも整理しておきましょう。

 

色の誘目性とは、文字どおり、色が目を誘う性質のことです。

・高彩度の色ほど、人の目が付きやすい、誘目性が高い色です。

・高彩度の色の中でも、赤や橙、黄色といった暖色系の色が、誘目性が高くなります。郵便ポストが青でなく赤いのはそのためです。

 

【解説3 】

誘目性が高い【C】が「橙」ではなく「黄赤」である点にも注意。JIS物体色の色名では、橙ではなく、黄赤といいます。

黄と赤の中間だから黄赤です。JIS物体色の色名はシステマティックな表現になります。

 

 【解説4 】

色の視認性とは、人目を引くだけではなく、何が書かれているのか、認識されなければいけなせん。例えば、ビビッドな赤い看板に、エメラルドグリーンのような緑で文字を書くと人目は引くものの(色の誘目性は高い)、明度差が小さいために、読みにくい(色の視認性は低い)ことになります。

明度差は配色において、最も大切なポイントです。

人間は色の差よりも、明るさの差に敏感で、明度に適度な差を付けることが、ユニバーサルデザイン年齢や障害の有無などにかかわらず、多くの人にとって効果的なデザイン)の最低条件です