色彩調和の考え方(2級)
ルードの色彩調和━━━
□アメリカの自然科学者のルード(1831-1902)は「美しい配色は、たくさんの色を使うことによってできるのではなく、ごく限られた色の使用によって達成できる」と述べている。
□ルードは「現代色彩学(モダンクロマチックス)」という著作がある。
ジャッドの色彩調和━━━
□アメリカの色彩学者ジャッド(1900-1972)は色彩調和を4つに原理にまとめた。
□秩序の原理とは、等間隔に配置されている色相から、規則的に色は選択する。
□ダイアード配色(補色配色)は、秩序の原理に基づく。
□なじみの原理とは、木の葉の、光が当たった所と影の部分の色の調和。
□ナチュラル配色は、なじみの原理に基づく。
□類似性の原理とは、共通性のある色同士は調和する。
□同系色相配色、同系トーン配色は類似性の原理に基づく。
□明瞭性の原理とは、明快なコントラストのある色同士は調和する。
□対照色相配色、対照トーン配色、セパレーション配色は、明瞭性の原理に基づく。
ナチュラル・ハーモニー配色━━━
□ルードの色彩の自然連鎖の原理に沿った色彩調和の方法を【ナチュラル・ハーモニー(ナチュラル配色)】という。
□同じトーンの場合、赤より橙は明るい。
□同じトーンの場合、橙より黄は明るい。
□同じトーンの場合、黄より緑は暗い。
□同じトーンの場合、緑より青は暗い。
□同じトーンの場合、青より青紫は暗い。
□同じトーンの場合、最も明るい色相は黄である。
□同じトーンの場合、最も暗い色相は青紫である。
□自然界は一般に、黄は明るい色、青や青紫は暗い色。
□色相環上で黄に近い色を明るく、青紫に近い色を暗くするとナチュラル配色になる。
□同一トーンの配色はすべてナチュラル配色である。
□ナチュラル配色はナチュラルハーモニーともいう。
□ナチュラル配色は自然の調和である。
□葉っぱの色(黄緑)は、日当りのよい部分は黄みがかった黄緑に、影の部分は青みがかった黄緑に見える。
□このような色相の法則を「色相の自然連鎖」という。
□色相の自然連鎖を英語でNatural Sequene of Huesとなる。
□ナチュラル・シーケンス・オブ・ヒューと読む。
□黄(Yellow)は色相記号Yで表す。
□黄のPCCSの色相番号は8番である。
□黄色の色相全般を8:Yで表記できる。
□青紫(Violet)は色相記号Vで表す。
□青紫のPCCSの色相番号は20番である。
□青紫の色相全般を20:Vで表記できる。
□Violet(バイオレット)は、すみれ色(青紫色)である。
□8:Yに近い色相が、20:Vに近い色相より明るい配色をナチュラル配色という。
□8:Yに近い色相が、20:Vに近い色相より暗い配色をコンプレックス配色という。
□同一トーンの配色は必ずナチュラル配色になる。
□「明るい黄」×「暗い黄緑」はナチュラル配色となる。
□「暗い黄」×「明るい黄緑」はナチュラル配色となる。
コンプレックス・ハーモニー配色━━━
□同じトーンの場合、赤は橙より暗い。
□「暗い赤」×「明るい橙」の配色は、ナチュラル配色である。
□「明るい赤」×「暗い橙」の配色は、コンプレックス配色である。
□同じトーンの場合、緑は青よりも明るい。
□「明るい緑」×「暗い青」の配色は、ナチュラル配色である。
□「暗い緑」×「明るい青」の配色は、コンプレックス配色である。
□色相環上で黄に近い色を暗く、青紫色に近い色を明るくするとコンプレックス配色となる。
□コンプレックス配色はコンプレックスハーモニーともいう。
□コンプレックス配色は「不調和の調和」ともいう。
□コンプレックスとは「複雑な」の意味がある。
□ナチュラル配色やコンプレックス配色は、色相と明度の関係に着眼した配色法である。
ドミナント配色━━━
□夕焼け空は全体に赤みがかって見える。このように全体がまとまって見えることをドミナント効果という。
□ドミナントとは「支配する、優勢な」の意味。
□一つの色相に支配された配色を【ドミナント・カラー】という。
□一つのトーンに支配された配色を【ドミナント・ドーン】という。
□PCCSの色記号において b12(明るい緑)、dp12(暗い緑)、lt12(浅い緑)、sf12(柔らかい緑)のように12番(緑)で揃えた配色をドミナントカラーという。
□PCCSの色記号においてb12(明るい緑)、b18(明るい青)、b20(明るい青紫)、b10(明るい黄緑)のようにブライトトーン(明るい色調)の配色はドミナントトーンという。
トーンオントーン配色━━━
□トーンオントーンとはTone on Toneである。
□トーンオントーンとはトーンを重ねるという意味である。
□トーンオントーンは、同系色相の濃淡配色である。
□トーンオントーンは色相が揃っていて、色調(トーン)に変化のある配色である。
□トーンオントーンは、色相は同一・隣接・類似色相の配色で、色相に統一感がある。
□トーンオントーンは、トーンに差がある。明暗差や彩度差など、比較的トーン差がある。類似トーンや対照トーンの配色である。
□ドミナントカラー配色はトーンオントーン配色の一種である。
トーンイントーン配色━━━
□トーンイントーンとはTone in Toneである。
□トーンイントーンとは、同じ色調でまとめる配色方法である。
□トーンオントーンとは、色相は様々で、トーンに共通性のある配色である。
□トーンイントーンは、トーンを統一した配色である。
□トーンイントーンは、特定のトーンのイメージ演出が出来る。
□ペールトーンばかりの配色はトーンイントーン配色で、優しいイメージとなる。
□ダークトーンばかりの配色はトーンイントーン配色で、重厚なイメージとなる。
□ドミナントトーン配色はトーンイントーン配色の一種である。
トーナル配色━━━
□中間色とは、グレイを含んだ鈍い色調の一連の色である。
□中間色を主に用いた配色とトーナル配色という。
□トーナル配色はグレイを含んだ色の組み合わせである。
□トーナル配色は落ち着いて穏やかなイメージになる。
□ダルトーンは中間色である。
□ソフトトーンは中間色である。
□ライトグレイッシュトーンは中間色である。
□グレイッシュトーンは中間色である。
□ダル、ソフト、ライトグレイッシュ、グレイッシュトーンの4トーンから配色をトーナル配色である。
カマイユ配色━━━
□カマイユ配色は、色相もトーンもかなり近似した配色である。
□フランス語で単色画法もことをカマイユという。
□微妙な色使いの絵画技法のことをカマイユという。
□貝殻細工のカメオの切断面に見られる色調をカマイユという。
□同一・隣接色相、同一・類似ト-ンはカマイユ配色という。
□明度差、彩度差が極めて小さい配色をカマイユ配色という。
□一見すると単色に見せる色の組み合わせをカマイユ配色という。
□p24とlt24はカマイユ配色である。
フォカマイユ配色━━━
□フォとは、「偽りの」という意味。
□フォカマイユ配色は、色相もトーンもほぼ近似した配色である。
□「カマイユ配色」よりも、やや色差がある配色を「フォカマイユ配色」という。
□類似色相・類似トーン配色はフォカマイユ配色になる。
□類似色相・同一トーン配色はフォカマイユ配色になる。
□p24とp22はフォカマイユ配色である。
□カマイユ配色とフォカマイユ配色との違いは曖昧である。
ビコロール配色━━━
□ビコロール配色は、コントラストのある明快な2色配色である。
□ビコロールとは、「2色」という意味。
□赤×白のように「高彩度×無彩色」の対比的な配色はビコロール配色である。
□「高彩度の橙」×「高彩度の青」のように、高彩度どうしの対照的な色相はビコロール配色である。
□日章旗はビコロール配色である。
トリコロール配色━━━
□トリコロール配色はコントラストのある明快な3色配色である。
□ヨーロッパの国旗に多いメリハリのある3色配色をトリコロール配色という。
色相の分割による配色━━━
□ジャッドの明瞭性の原理に基づいて、色相環を規則的に分割する配色方法がある。
□色相環を2等分する2色配色をダイアード配色という。
□色相環を3等分する3色配色をトライアド配色という。
□色相環を4等分する4色配色をテトラード配色という。
□色相環を5等分する5色配色をペンタード配色という。
□色相環を6等分する6色配色をヘクサード配色という。
□トライアド配色+白+黒=ペンタード配色。
□テトラード配色+白+黒=ヘクサード配色。
□三原色に当たる(赤紫、黄、青緑)の3色配色はトライアド配色である。
□(赤紫、黄、青緑)+(白、黒)の5色配色はペンタード配色である。
□補色色相配色はダイアード配色である。
□分裂補色配色をスプリットコンプリメンタリー配色という。
□スプリット・コンプリメンタリー配色は補色配色のアレンジ版である。
□コンプリメンタリーとは補色の意味。
□スプリットとは分裂の意味。
□スプリット・コンプリメンタリーとは、補色配色の片方が隣接の2色に分裂すること。
□PCCSで色相差12の配色はダイアード配色である。
□PCCS色相では、色相番号2番と14番はダイアード配色である。
□PCCS色相では、色相番号2番と13番と15番はスプリットコンプリメンタリー配色である。
□PCCSで色相差8の3色配色はトライアド配色である。
□PCCSで色相番号2,10,18番はトライアド配色である。
□PCCSで色相差6の4色配色はテトラード配色である。
□PCCSで色相番号2,8,14,20番はテトラード配色である。
配色イメージと色の三属性(2級)
□色の寒暖感は「色相」と関係が深い。
□興奮感、沈静感は「色相」と関係が深い。
□暖色系の高彩度色は興奮色である。
□寒色系の中-低彩度色は沈静色である。
□軽いー重いのイメージは色の明度と関係が深い。
□高明度の色は軽いイメージである。
□低彩度の色は重いイメージである。
□シャープで直線は硬い印象である。
□曲線で有機的な形は柔らかい印象である。
□柔らかいー硬いのイメージは色の「明度(および色調)」と関係が深い。
□派手ー地味のイメージは色の「彩度」と関係が深い。