茶色にはさまざまな色があります。江戸時代には、微妙に異なるいろいろな茶色を百茶百鼠(ひゃくちゃひゃくねず)と呼びました。
百は、たくさんの〜という意味。茶色や鼠色の微妙な色の差を楽しみ、粋に着こなした江戸文化の高さを象徴する言葉の1つです。
さて、茶色・鼠色は以下のように定義することができます。
◯茶色は、暖色系の黒を含んだ色
◯鼠色は、寒色系〜無彩色の黒を含んだ色
色みの弱い色で、暖色系が茶系、寒色系が鼠色と捉えるのです。
[問題A]
セピア色についてJISで定義された慣用色名は、どれでしょう。
1.ごく暗い赤みの黄
2.うすいベージュ
3.くすんだ赤みの黄
[答えA]
1.ごく暗い赤みの黄
[解説A]
セピア色は「セピア色の写真」という表現で誤解されやすい色名の1つです。実際には黒に近いほどの暗い茶色です。
[問題B]
セピア色についてマンセル値は、どれでしょう。
10YR 3/2.5
10YR 7/2
10YR 3/12
[答えB]
10YR3/2.5
[解説B]
マンセル表記は 色相 明度/彩度 です。
10YRは、YR(黄赤)を示しています。
明度3は暗めの色。黒=明度1 白=明度9
彩度2.5は無彩色に近い。彩度0=無彩色
[問題C]
セピアの本来の意味として正しいのはどれでしょうか。
1.セピア=思い出の
2.セピア=古新聞のインクの
3,セピア=イカスミのような
[答えC]
3.セピア=イカスミのような
セピアとはイカスミのことです。
古くから、耐水性のあるイカ墨がインクや染料として使われ、近世に化学的に合成した顔料が西洋に広まり、やがて、その顔料の色を指す言葉として『セピア』が定着しました。
茶色の基準は、dk5=暗い橙
焦茶の基準は、dkg6=かなり暗い橙
黒に近い茶色で「セピア」も同じような色です。
19世紀末頃から、新聞や雑誌などの印刷にセピアのインクが使われるようになりました。初期のモノクロ写真が現像され始めたのもこの頃で、日光の紫外線などによって退色したインクの色みもセピアと呼ばれるように。「セピア調」という言葉は経年劣化した写真の色が由来します。
「チョコレート色」も黒に近い茶色ですが、セピア色よりやや赤みが強いダークブラウンになります。