ヨハネス・イッテン①絵画と色彩

 

「ヨハネス・イッテン」という名前を知っていますか?

生涯を通じて色彩の研究に尽くした人物です。

彼の「色彩と芸術」に総括されている色彩理論は、世界中に広がりました。

今回は、その一部を抜粋します。

 

 

色彩と芸術(序)

私は、色彩美術の問題に興味をもつすべてのひとびとに、参考になるような乗りものを作ろうと考えている。(略)単に客観的な色の原理や法則を解説するだけではく、色彩についての批判鑑賞というような主観的な分野についても研究し、探求をすすめようと思う。(略)

 

 

□ジョットは、形と色彩で人物の特徴を明確に描いた最初の画家たちであった。

 

ジョット「ユダの接吻」1304年
ジョット「ユダの接吻」1304年

 

 

 

□15世紀前半においてヤン・ファン・エイク兄弟は、表現すべき人物や静物を天然色で再現する模様の様式を開拓しだした。彩度と明度の調子を通じて、これらの天然色は、さながら目にみる自然の色のような色彩をもつ実際的な像を描きだした。

色彩は自然物をありのまま表現する手段になった。1434年にはじめてゴシックの肖像画を仕上げた。

 

ファン・エイク「アルノルフィーニ夫妻像」1434年
ファン・エイク「アルノルフィーニ夫妻像」1434年

 

 

 

□フランチェスカは、バランスのとれた補色ではっきりした輪郭と、明確に表現された面で人物を描いた。

 

 

フランチェスカ「モンテフェルトロの祭壇画」1472年
フランチェスカ「モンテフェルトロの祭壇画」1472年

オレンジと青の補色色相や、赤とピンクの同一色相など、明快な配色が繰り返されている。