黒海とエーゲ海

雨の多い黒海
雨の多い黒海

黒海(こっかい)は、なぜ黒い海と呼ばれるのでしょうか?

 

英語でも Black Sea(黒い海)と呼ばれます。

太陽燦々のエーゲ海
太陽燦々のエーゲ海

海が黒いわけではないでしょうが・・?

エーゲ海や地中海のような青々とした海と比べたら、雨も多く、どんよりとしたところから名付けられたのでしょうか。

 

黒海と名付けたのは、貿易をしにやってきた古代ギリシア人だったという説があります。

 

 

紀元前、地中海を望む古代ギリシアの島々は、滅多に雨が降ることはなく、いつも太陽が燦々と、海は青々としていました

 

乾いた大地で、良質のぶどうから、美味しいぶどう酒を生成し、

オリーブの木から、オリーブオイルや実を得ました。

 

葡萄酒とオリーブの実だけでは、お腹がいっぱいになりません。

乾いた土地で「小麦」ができなかったのです。

 

そこで、海洋貿易が得意な古代ギリシア人たちは、

黒海の都市、今のウクライナの辺りと、貿易を始めます。

 

青い海を見慣れた古代ギリシア人にとって、

より北に位置し、雨が多く、どんよりとした気候の海は、黒っぽく見えたのです。

 

 

 

 

ちなみに地中海はトルコ語でアク・デニズ(白い海)と言います

ブルガリア語ではエーゲ海が Бяло море(白海) です。

これらは「黒海」に対比させた呼び方でしょう。

 

 

黒や白が、いわゆる現代の彩色での白・黒ではなく、

光の当たり方や、心情を表しているのは、

古今東西同じなのですね。

黒海の地図
黒海の地図
紅海
紅海

さて、黒海のもっと南に、紅海(こうかい)という海があります。

ギリシャ語の直訳です。

 

一説には、昔から方角を色分けして考える哲学があり、

例えば北の黒海、

南の赤海となった

という説があります。

 

 

 

東洋の五行説にも、

北ー黒

南ー朱

東ー青

西ー白

中央ー黄色

 

という考え方がありました。

 

これらの2つ考え方

①エーゲ海と比べて、暗くどんよりしているから、黒海と呼んだ。

②昔から、北は黒と呼ばれた。

 

は、別の説ではなく、根っこは同じなのかもしれません。

 

①のケースが自然界に多いから、②の「方向と色を結びつける」ようになったのかもしれません。