黄色いベスト運動(パリは燃えているか!)

パリ中心部でデモを行うイエローベスト(2018年12月1日) ロイター通信写真
パリ中心部でデモを行うイエローベスト(2018年12月1日) ロイター通信写真

「黄色いベスト運動 」をご存知ですか?

フランスで、2018年11月17日から発生している政府への抗議活動のことです。

 

機動隊の盾は、抗議者がかけた黄色い塗料で染まった(2018/12/1、パリ)
機動隊の盾は、抗議者がかけた黄色い塗料で染まった(2018/12/1、パリ)

 

「黄色ベスト」は車が路上で故障して車外に降りる時、事故を防止するため着用が義務付けられているベストです。

2008年以降、すべての運転手が車に積んでいて、「黄色ベスト」は車の運転を生業にする労働者のシンボルでもあります。

 

その現場で働く人々が、最も視認性(しにんせい)の高い「黄色」のベストを着て、政府への抗議行動が広まり、一種のテロにも似た暴動に発展しました。

 

 

革命には、シンボルになる色彩が必要です。

 

フランス革命では、赤・白・青の三色旗が掲げられ、それが、現在のフランス三色旗となっています。

 

ロシア革命は赤、中国共産党も赤、多くの血が流れる革命には、最も過激で、最も暴力的な、赤い色彩が選ばれます。

 

今回のフランス・デモは、赤の手前の黄色。革命前夜(ややおとなしめ)でしょうか。

 

 

赤は血や火から「危険」を連想し、

黄色は暗い所でも良く見えるため「注意」を連想します。

 

ちなみにJISでは、下記のように、安全色を規定しています。

 

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赤は 禁止、停止、危険、緊急

黄は 警告、注意 

緑は 安全、進行 

青は 誘導 

紫は 放射能

 

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今回の騒動は「フランス版、黄巾の乱」とも呼ばれています。

 

中国の三国志にある農民反乱が、目印に黄巾と呼ばれる黄色い頭巾を頭に巻いた事から、名づけられた黄巾の乱(こうきんのらん)になぞらえています。