この「赤色漆塗り櫛」はなんと8000年前のものです。
歴史区分では「縄文時代」にあたります。
実に美しい漆塗りが施されていますが、
発見された瞬間は、もっともっと鮮やかな「真紅色」の櫛だったそうです。
そんな大昔に、これほどの彩色がなされたこと、
しかも、今も残っていることが驚きですね。
日本最古の櫛(くし)ということですから、装飾品。
いわゆる、おしゃれのための色彩です。
普通、「赤」と言えば鳥居の赤のような、「信仰心」を連想させる色彩ですが、
この漆塗りの赤色を見ている限り、縄文時代の人にとって、
この赤い色彩は、現代の私たちに通じる、「オシャレとしての赤」であったように感じられます。
実際、このような彩色された櫛は、かなりの頻度で見られるそうです。
今と同じように、
「すべての女性が、美しく着飾っていた」と考えられています。
女性のおしゃれは、平和の時代のシンボル。
さて、下のガチンコ勝負のポスターをご覧ください。
左の黒地に装飾の多い女性が縄文スタイル、
右の白っぽく、簡素なのが、弥生スタイルです。
モデルの顔も、縄文っぽいモデルさん、弥生っぽいモデルさんを選んでいるようです。
時代を下った弥生時代の方が、簡素になったことだわかりますね。
弥生時代には、渡来人が加わり、争いがやや見られるようになったといいます。
その分、おしゃれする余裕がなくなり、風俗は簡素に、土器も簡素になったとされます。
これは縄文時代の女性のファッションです。
特徴的なのが、女性の装飾品が多いことです。今よりずっと多い。
装飾品・・
耳飾り(イヤリング)、首輪(ネックレシス)、腕輪(ブレスレット)など・・・
耳飾り(イヤリング)は大きく、繊細な彫刻が施され、
首輪(ネックレス)は複雑に加工され、ヒスイや大珠で彩られ、
腕飾り(ブレスレット)は、貝殻の裏側を表にした加工、
このまま現代社会でも立派に通用する装飾品ですね。
服装・・
極彩色の美しい模様が描かれています。
男性の装身具が腰飾りだけに限られいるのに対し、女性は、実にカラフルに彩られています。
特定のシャーマンの女性だけが、ガチャガチャに着飾っていた、というのではありません。
出土品の数の多さからみて、10~200戸くらいの集落で、
特定の、たとえばシャーマンだけががカラフルな装飾品をまとっていたとは言い難いのです。
つまり、すべての女性が、美しく着飾っていた、ということです。
女性が美しく着飾れるというのは、いいかえれば女性がとても大切にされてる社会だったということです。