色彩検定3級&2級の色彩用語

色彩検定3級の色彩用語のまとめです。


光と色━━━

光とは電気と磁気のエネルギーが波となって空間を伝わっていく【電磁波(でんじは)】である。
電磁波は【振幅(しんぷく)】と【波長(はちょう)】で表すことができる。
波長は【nm(ナノメートル)】という長さの単位で表される。
1nmは10億分の1メートルである。

人間の眼が感じることのできる波長範囲は【380〜780nm】で、この範囲を【可視光】という。
可視光は400〜500nmを【短波長】、500〜600nmを【中波長】、600〜700nmを【長波長】に3分割して捉える。
短波長の光(400〜500nm)は青や青紫の光を放つ。
中波長の光(500〜600nm)は黄や緑の光を放つ。
長波長の光(600〜700nm)は赤や橙の光を放つ。
【紫外線(しがいせん)】は、可視光の短波長側の外側の波長域である。
【赤外線(せきがいせん)】は、可視光の長波長側の外側の波長域である。

すべての波長の光を均等に含んだ光を【白色光(はくしょくこう)】という。
単一の波長の光を【単色光(たんしょくこう)】という。
白色光を単色光に分けることを【分光(ぶんこう)】という。
光を波長成分ごとに分けて、グラフにしたものを【分光分布】という。分光分布を見ると、どんな色の光かがわかる。

物体に光が当たると、光は表面で【反射】か【吸収】か【透過】である。
物体に当たった光が、均等に多く【反射】すると白く見える。
物体に当たった光が、均等に多く【吸収】すると黒く見える。
物体に当たった光のうち、長波長の赤い光を多く反射すると赤く見える。
物体に当たった光の吸収・反射の割合を波長ごとに表したのが【分光反射率曲線】である。分光反射率曲線を見ると、どんな色の物体かがわかる。


眼の仕組み━━━

【強膜(きょうまく)】はいわゆる白目の部分で、カメラのボディーの役割をしている。【脈絡膜(みゃくらくまく)】もカメラのボディーの役割をしている。

【角膜(かくまく)】と【水晶体(すいしょうたい)】はカメラのレンズの役割をしている。角膜は、外光を眼球内部へ屈折させている。水晶体は、厚みを変えることで、角膜の役目を補助し、焦点調節を行う。
【虹彩(こうさい)】は、カメラの絞りの役割をしている。眼に入る光の量を調節している。【瞳孔(どうこう)】は、虹彩の中央にあいた円形の孔。明るい時は瞳孔は小さく、暗い時は大きくなる。

【網膜(もうまく)】は、カメラのフィルムの役割をしている。つまり、眼球に入った光は、【角膜で屈折】し、【虹彩】が瞳孔の大きさを変えて光の量を調節して、【網膜に像を結ぶ】のである。

視細胞には、錐体細胞(すいたいさいぼう)と杆体細胞(かんたいさいぼう)がある。
【錐体】は明るいところで働く。
【杆体】は暗いところで働く。
杆体には1種類しかない。
錐体には3種類がある。
短波長の光(青)を主に感じるのは【S錐体】。SはShort(短波長の光)。
中波長の光(緑)を主に感じるのは【M錐体】。MはMiddle(中波長の光)。
長波長の光(赤)を主に感じるのは【L錐体】。LはLong(長波長の光)。



混色━━━

混色には加法混色と減法混色がある。
【加法混色】は色光による混色で、混色するほど、エネルギーが増し、明るくなる混色である。
【減法混色】は色料による混色で、混色するほど、エネルギーが減り、暗くなる混色である。
加法混色の三原色はRGB(赤緑青)であり、全部足すと白色光になる。
減法混色の三原色はCMYであり、全部足すと暗灰色(あんかいしょく)になる。
色料の三原色のCとはシアンブルーで青緑(正確には、緑みの青、PCCS16番)である。
色料の三原色のMとはマゼンタで赤紫(PCCS24番)である。
色料の三原色のYとはイエローで黄(PCCS8番)である。


加法混色には【同時加法混色】と【併置加法混色】と【継時加法混色】がある。
同時加法混色とは、照明ランプが1台、2台と増えるような混色である。
併置加法混色とは、モザイク画や、カラーテレビやスマホの色の混色である。それぞれの色光(色料)が併置されていて、眼の中で混色している。

液晶テレビ、スマホのようなカラーモニターの色は、【色光の三原色RGB】による【併置加法混色】によって成り立っている。
カラー印刷の色は、【色料の三原色CMY】による【減法混色と併置加法混色】によって成り立っている。


色表示━━━

色は【有彩色】と【無彩色】に大別される。
色には【色相】【明度】【彩度】の3つの属性によって規定されている。これを【色の三属性】という。
有彩色は、色相・明度・彩度の三属性によって規定される。
無彩色は、明度のみによって規定される。

色は「色み+白+黒」で成り立つと考えられる。
「色み」のみで出来た色を【純色(じゅんしょく)】という。
「色み+白」で出来た色を【明清色(めいせいしょく)】という。
「色み+黒」で出来た色を【暗清色(あんせいしょく)】という。
「色み+白+黒」で出来た色を【中間色(ちゅうかんしょく)】という。
中間色のことを【濁色(だくしょく)】ともいう。
明清色と暗清色を合わせて【清色(せいしょく)】という。

色の三属性を規則的に空間を配置したものが【色立体】である。
色を配置するときの基本的なルールを決めたシステムを【表色系】という。
表色系には【顕色系(けんしょくけい)】と【混色系(こんしょくけい)】の2つがある。
日本の色彩学習で主に用いられている表色系は、【PCCS】である。
PCCSとは【日本色研配色体系】のことである。
PCCSでは明度と彩度を合わせて【トーン】という概念を用いている。
色相のことを【Hue(ヒュー)】という。
色調のことを【Tone(トーン)】という。
PCCSは、色相とトーンの2つで色を規定するので【ヒュー・トーン・システム】という。
PCCSの色相は【24色相】である。【心理4原色】である【赤・黄・緑・青】を元にPCCSの色相環が出来ている。
PCCSの色相環では、相対する位置に【心理補色】を置いている。心理補色とは心理的に正反対の色で、この色のことを【補色(ほしょく)】という。

PCCSの明度のことを【Lightness(ライトネス)】という。
PCCSの明度段階9.5は白、1.5が黒である。
明度段階が 1.5〜4.0が低明度、4.5〜6.5が中明度、7.0〜9.5が高明度である。
PCCSの彩度のことを【Saturation(サチュレーション)】という。
PCCSの最高彩度の色は9sである。
彩度段階1s〜3sが低彩度、4s〜6sが中彩度、7s〜9sが高彩度である。
PCCSでは【色相記号ー明度ー彩度】の順に表記する。例えば、真っ赤は【2:R-4.5-9s】と表示される。










色彩検定2級のの色彩用語のまとめです。

生活と色━━━

注意を向けていない対象の見やすさを【誘目性】という。目を誘う性質なので、見る気も無いのに、「赤い」服を着た女性の方を思わず見てしまうなどの例。誘目性は無彩色より有彩色が高く、高彩度が高い。
注意を向けて対象を探すときの発見しやすさを【視認性】という。公共色彩に多い。目に入るだけではなく、何を意味するのかを認識させる性質。だから背景の色の差、とりわけ「明度差」が重要。
視認性のなかでも、図形などの見やすさを【明視性】、文字などの読みやすさを【可読性】、地下鉄路線図なども線路の識別のしやすさを【識別性】という。



光と色━━━

光の成分を表したのが【分光分布】である。横軸が波長で、縦軸がエネルギーで表している。「白熱電球の分光分布は右上がり」なのは長波長域の光(赤や橙)が強いからである。
波長ごとの反射と吸収の割合を表したのが【分光反射率曲線】である。
分光反射率曲線が全体に上の位置にあると「明度が高い」。
分光反射率曲線の高低差が多いと「彩度が高い」。
分光反射率曲線の最も高い波長によって「色相が決まる」。


視覚系━━━

視細胞には、【錐体細胞(すいたいさいぼう)】と【杆体細胞(かんたいさいぼう)】がある。
錐体(すいたい)は、色を見分ける細胞で【中心窩(しゅうしんか)】に密集している。
杆体(かんたい)は、明暗を見分ける細胞で、中心窩の周辺に分布している。
網膜の中心部は【黄斑(おうはん)】という部分で、そのとりわけ中心部分を【中心窩(ちゅうしんか)】という。本を読むとき、読んでいる2〜3文字は明確に色も形も認識できるが、その周りはぼーっと見えるのは、そのためである。
錐体も杆体も存在していない部分を【視神経乳頭(ししんけいにゅうとう)】といい、俗にいう、【盲点(もうてん)】である。
盲点には、視細胞が存在しないが、その部分が見えないというようには私たちは認識していない。これは周囲の情報が欠けた部分を補うもので、これを【フィル・イン】という。


同じ強さの単色光であっても、私たちの眼(視細胞)は波長によって感度が異なる。この波長ごとの感度の違いを表したのが【分光視感効率】曲線である。
明るく錐体が働いている時は555nm付近が最も明るく見えている。つまり、同じ光の刺激ならば【黄緑色】が一番明るく見える。
暗く、杆体が働いている時は507nm付近が比較的に明るく見えている。つまり【緑色】が比較的明るく見えている。

視細胞の中には、光を吸収すると神経信号が発生するような仕組みがある。この光を吸収する物質を【視物質】という。
杆体にある視物質を【ロドプシン】という。ロドプシンは、光が当たると無くなり、暗くなると再合成する。
錐体にある視物質は【赤オプシン】【緑オプシン】【青オプシン】がある。

明るい時に錐体が働いて色を見ることを【明所視】あるいは【錐体視】という。
暗い時に杆体が働いて物を見ることを【暗所視】あるいは【杆体視】という。
夕暮れ時などに、明所視から暗所視への移行期を【薄明視】といい、錐体と杆体の両方が働いている。薄暗くなる時には、眼の感度は【短波長側】にシフトする。これを【プルキニエシフト】という。つまり、薄暗くなると、短波長の光(青)が綺麗に見えるようになる。これを【プルキニエ現象】という。



照明━━━

場所の明るさを表す尺度が【照度(しょうど)】である。照度の単位はlx(ルクス)である。
照明の色みを【光色(こうしょく)】といい、それを表す尺度を【色温度(いろおんど)】という。色温度の単位はK(ケルビン)で表す。
色温度が高いほど青っぽくクールな光、色温度が低いほどオレンジっぽい温かい光である。
色温度が6500Kの日中の北窓光は北空昼光という。青空のもとの自然光で、くせのない光である。
蛍光ランプの昼光色は色温度6500Kである。白熱電球の色温度は2800Kである。



マンセル表色系━━━

マンセル表色系は色相をHue(ヒュー)といい、R赤・Y黄・G緑・B青・P紫が基本色相。それにYR・GY・BG・PB・RPを加えた10色を色相を表すための記号となっている。
マンセル表色系は明度をValue(バリュー)という。
マンセル表色系は彩度をChroma(クロマ)という。
マンセル表色系では【色相 明度/彩度】で表示する。例えば真っ赤は「5R 4/14」となる。